青い空の向こうに

2017年4月息子が青い空の向こうに行ってしまいました。

2019年5月のブログ記事

  • 息子の遺書その2

    川崎で恐ろしい事件がおきた。 ニュースで解説者が「これは典型的な拡大自殺です」と言っていた。 1人で死ぬのが嫌だったのだろうか。 犯人がどんな心の闇を持っていたかは今となっては想像しかできない。 心の中は本人にしかわからない。 私も前は1人で死ぬのは怖かった。 死ぬときは皆1人とわかっていても、恐... 続きをみる

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  • 息子の遺書

    息子は遺書を残していた。 遺族へと表に書かれた大きな茶封筒 がアパートの机の上に置かれていた。 中身はお父さんへお母さんへ姉妹たちへ友人たちへと それぞれコピー用紙にきちんと書かれていた。 恨みもつらみもなくただただみんなへの感謝の言葉しか並んでいなかった。 みんなに心配かけるから心臓発作で死んだ... 続きをみる

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  • 次女の夢

    次女はあいかわらずよく息子の夢を見る。大体はそこに立って笑っているらしいが、たまに生き返った設定になるらしい。 「わー〇〇にいちゃん、やっぱり生きてたー」 と言って泣きながら飛びついて抱きつくと目がさめる、というのがお決まりのパターンらしい。 次女は割とお気楽な性格で、あまり物事を深く考えるほうで... 続きをみる

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  • 海の思い出

    子供たちが小さい頃、よく海水浴に行った。 夫は何kmでも泳げる人だったし、子供たちは皆スイミングを習っていて泳ぎは上手だった。 家族の中で一番泳ぎが下手くそなのは私だった。 なのでいつも息子に「〇〇、ママが溺れたら助けてよ」 と冗談を言っていた。 海の中で遊んでいて、私が貝採りに夢中になって浮き輪... 続きをみる

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  • 息子のライン

    息子が亡くなる一年程前に、夫が心筋梗塞になったことがあった。 生きるか死ぬかの状態になり、家族で病院に駆けつけた。息子にも車で帰ってくるよう頼んだ。 病院に来た息子はいつも通りヘラヘラと笑っていた。 その後夫はなんとか命を取り留め、回復した。 息子が亡くなってから息子の友達が見せてくれたラインに、... 続きをみる

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  • 息子とトーマス

    息子は幼い頃機関車トーマスが大好きだった。保育所の誕生日のインタビューで、大きくなったら何になりたいかと聞かれてトーマスになりたい、と答えていた。 息子は昔からのんびり屋でマイペースだった。 あまりにのんびりしているので、誘拐でもされるんではないかと心配した夫が、 「知らないおじさんが、トーマスの... 続きをみる

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  • 次女と息子のこと

    息子が亡くなってからも、次女は息子の気配を時々感じるらしい。 授業中ぼーっとしていると机をトントンと叩いたり、足をふわっと触っていくらしい。 家族で話していると、「あ、今お兄ちゃんの匂いがした」 などと言う。 息子がよくつけていたコロンの匂いがするらしい。 夢にもよく登場するらしい。 私は鈍いのか... 続きをみる

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  • 霊媒師

    息子が亡くなってから、何故死んだのか理由が知りたくて知りたくて、藁をもつかむ気持ちで、よくあたると評判の霊媒師のところに行った。 霊媒師は息子の写真を見るなり、「この子はずっと前から死にたいと思っていた」と言った。きっかけはあったのかもしれないが、それはきっかけに過ぎないと。 全然気がつかなかった... 続きをみる

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  • 奈良の思い出

    長女が関西の大学にいたので、家族で奈良に遊びに行ったことがある。 美しい法隆寺、興福寺。奈良公園で鹿とたわむれて、テレビでよく見た高速の餅つきに感心し、最後に東大寺へ。 東大寺には大仏様の鼻の穴と同じ大きさの穴が開いた柱がある。 この穴を通り抜けると御利益があるとか・・? 家族は次々穴を通り抜けて... 続きをみる

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  • 長女の入籍

    昨年の4月に長女が入籍した。 長女の入籍した日は息子の命日だった。「〇〇のこと忘れないように命日に入籍するわ」と長女は言った。 「絶対忘れんけど」と長女は笑った。 長女は彼氏と何年も付き合いしていた。それでも息子のことで破談になるのではないかと私はハラハラしていた。 「そんなん、命日と同じ日に入籍... 続きをみる

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  • 空が青かった日

    息子が亡くなった日(と思われる日)は町の祭りだった。何十年に一度の記念の年で、いつもより大がかりな催し物があった。 私は町の子供達のみこしの先導係で朝からずっとついて歩いていた。 まさか息子がその時死んでいるなどと思いもせず、他のお母さんたちと一緒に笑いあっていた。 その日はとても良い天気で、青い... 続きをみる

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