青い空の向こうに

2017年4月息子が青い空の向こうに行ってしまいました。

長女の入籍

昨年の4月に長女が入籍した。

長女の入籍した日は息子の命日だった。「〇〇のこと忘れないように命日に入籍するわ」と長女は言った。

「絶対忘れんけど」と長女は笑った。

長女は彼氏と何年も付き合いしていた。それでも息子のことで破談になるのではないかと私はハラハラしていた。

「そんなん、命日と同じ日に入籍なんて縁起悪いって思われるやん、向こうの人嫌がるよーやめときー」

と私は言った。

長女は、「大丈夫、彼氏も向こうの両親もぜひそうしようって賛成してくれた」と言った・・・


自分がもし逆の立場だったら、そんな事を言ってあげられただろうか、いや、心の狭い私にはとても無理だ・・


息子の死は色々な事を私に考えさせてくれる。

空が青かった日

息子が亡くなった日(と思われる日)は町の祭りだった。何十年に一度の記念の年で、いつもより大がかりな催し物があった。

私は町の子供達のみこしの先導係で朝からずっとついて歩いていた。

まさか息子がその時死んでいるなどと思いもせず、他のお母さんたちと一緒に笑いあっていた。

その日はとても良い天気で、青い空がとてもきれいで・・

身内に不幸があると、胸騒ぎがするとか嫌な予感がするとか聞くことがあるが、私は全く何にも感じなかった。


私が鈍いから?それともお母さんに伝えてもどうせ気がつかないと思って?


ごめんね、気づいてあげられなくて・・・

家族葬

息子は家族葬だった。

息子が亡くなった時、私はたまたま三連休だった。葬儀の話になったとき、葬儀まであまり日がおけないということで、夫や周囲の人が家族葬でと段取りしてくれた。放心状態の私は何も考えられなかった。

うちは地方なので、人が亡くなると載せないでと言わない限り地方新聞のお悔やみ欄に名前や住所、年齢などが出る。その時はそれも夫が載せないでおこうと連絡してくれた。

葬儀が終わって一ヶ月くらいたってからか、私の姉夫婦が息子のお悔やみのお知らせを今からでも載せないかと言ってきた。ひっそりと家族葬で世間に知らせることもなく何もなかったように終わらせるのは、かわいそうな気がすると。

自死した親族を持つことで、姉夫婦たちなどに迷惑がかかるのではないかと心配だったので、その申し出はとても嬉しかった。

でも、私の実家の両親に、それだけはやめてくれと頼まれた。お悔やみ欄に載せると周りからあれこれ聞かれる、それが耐えられないと。

それ以上は強く言えず、結局載せないことになった。

でも今は後悔している。普通に葬儀をして、普通に公表して送り出してやらなかったことをとてもとても後悔している。