青い空の向こうに

2017年4月息子が青い空の向こうに行ってしまいました。

次女と息子のこと

息子が亡くなってからも、次女は息子の気配を時々感じるらしい。

授業中ぼーっとしていると机をトントンと叩いたり、足をふわっと触っていくらしい。

家族で話していると、「あ、今お兄ちゃんの匂いがした」

などと言う。

息子がよくつけていたコロンの匂いがするらしい。

夢にもよく登場するらしい。

私は鈍いのか全く何にも感じない。

夢にも出てきてくれない。


息子と次女は仲が良かった。ケンカもよくしていたが、2人でUSJに行ったりもしていた。

だから、息子が亡くなったことは次女にとってもかなりのショックだっただろう。


息子が死んだと連絡を受けた時、娘を学校に迎えに行くために学校に電話をした。「〇〇にいちゃんが死んだんや」と私が言った震える声を、次女は今でも忘れられないと話す。


あれから2年がたち、次女は大学生になり息子の年に近づいた。楽しく大学生活を送っているようだが、時々何かの折に思い出し、涙が止まらなくなることがあると話す。

ごめんね、つらい思いをさせて。

娘の心にも大きな傷をつけてしまった。


息子よ、妹のそばにいるのなら、どうか優しい暖かい風を送ってあげて。

何も感じてあげられない母の代わりに、すべて感じてくれている娘のために。

霊媒師

息子が亡くなってから、何故死んだのか理由が知りたくて知りたくて、藁をもつかむ気持ちで、よくあたると評判の霊媒師のところに行った。

霊媒師は息子の写真を見るなり、「この子はずっと前から死にたいと思っていた」と言った。きっかけはあったのかもしれないが、それはきっかけに過ぎないと。

全然気がつかなかったと言う私に、「当たり前です、おかあさん、あなた何も見えてないから。自分中心だから」

と。

そのあとは何を聞いても責められ、怒られた。


凹みながら、恐る恐る息子は成仏できたのでしょうか、と聞いてみた。

「そんな簡単にできるわけないでしょ、自分で死んだのよ。長い長い修行が必要なんです」

とまた怒られた。


はーやっぱり息子が死んだのは私のせいだ。


あの日からずっと自分を責め続けている。

奈良の思い出

長女が関西の大学にいたので、家族で奈良に遊びに行ったことがある。

美しい法隆寺、興福寺。奈良公園で鹿とたわむれて、テレビでよく見た高速の餅つきに感心し、最後に東大寺へ。

東大寺には大仏様の鼻の穴と同じ大きさの穴が開いた柱がある。

この穴を通り抜けると御利益があるとか・・?

家族は次々穴を通り抜けていった。

私も続きたかったが、昔からひどい閉所恐怖症なので、あのわずかな通り穴が怖くてたまらない。

順番が来るとやっぱりダメで、また順番の後ろについて、という事を4回ほど繰り返した💦

家族にもあきれられたが、これをクリアできたらこの先いいことがありそうで、諦められなかった。

5回目の時、息子が手を引っ張ってやると言った。その言葉を信じて決死の思いで入った。目をつぶったまま引きづり出された無様な私の姿を見て、家族はもちろん、周りの外人さんや観光客の方みんなに大笑いされたが、私は大満足でみんなとハイタッチした。

これからどんな試練があっても乗り越えられる〜と思った。


息子が亡くなるわずか1ヶ月前の出来事


大仏様、試練てこの事だったのですか?

こんな試練はいらなかったなぁ。

(次女)