ヘリウムガス
お盆に向けて久しぶりに仏間をそうじしていたら、廊下の隅に大きなヘリウムガスの缶が二つ。
一気に息子が死んだ時のことが蘇ってきた。
息子はヘリウムガスで死んだのだ。
息子のアパートの部屋にはパーティー用に買ったと言う風船がたくさんあった。
いつからヘリウムガスを買っていたのか、ほんとにパーティー用に買っていたのか、前から死にたいと思って買ってあったのか、もう私にはわからない。
大きなガスの缶を捨てることも出来ず、見るたびに思い出してつらくなる。
この先あとだれだけこの思いを抱えて生きていかなければならないのだろうか。