思い出すこと
身重の長女が産休に入り、実家に帰ってきた。
お産に備えて色々な物を買いに行った。ベビーベッドやベビーバス。今は空気を膨らませて使うものもあるんだ。
へー。
下の子が産まれた時、息子がベビーバスでお風呂に入れるのを手伝ってくれたことを思い出した。
抱っこひもも、ずいぶん私の時とは変わったなあ。娘が喜んで見ているところを写真にとって、婿さんに送る。「僕も抱っこの練習をします」なんて可愛い返事をよこす。
息子も生きていたらいつかこうやって奥さんと赤ちゃん用品を見にきたのかなあとふっと思う。
哺乳瓶もずいぶん色んな形があって、可愛い。
息子はよくミルクを飲んだなあ。
よく飲んでよく寝る子だった。
長女は婿さんに立ち会いしてもらうらしい。今から2人ともその日を心待ちにしている。
息子にはそんな日は永遠に来ないんだなあ。
そんなことを考えながら小さな肌着を見ていると、目が潤んできてしまった。こんな楽しみも知らずに死んでしまった息子が哀れで・・
普段考えなくても、何かのきっかけでふっと息子のことを思い出す。
深い悲しみと後悔。
どれだけ年月がたっても、私の中からその思いが消えることはない。