20歳の子
次女が大学で先輩の男の子に不注意でケガをさせられてしまい、今日その子の母親と本人が、謝罪に来られた。
お母さんは、ほんとに私の目が届きませんでとしきりに謝っておられた。
男の子は20歳だと言う。息子の亡くなった年と同じだ。
彼に会うまでは、「もーうちの娘にこんなケガさせてー許さんわー」
などと思っていたのだが、小さくなって涙ぐみながら謝る彼を見て、息子の面影とだぶってしまい、そんな気持ちは吹っ飛んでしまった。
もういい、もう十分だよ、もう泣かないで
そう言いたかった。
そのあとはもう涙で目の前が曇ってしまって、涙がこぼれると困るので早々にお別れした。
生きていた頃は、もー面倒かけないでよーといつも息子を怒っていたように思うが、今は息子のために世話を焼きたい。そう思う。
今ならあの子のためにどれだけだって頭を下げられるのに。