身長
玄関に座っていたら、「ただいまー」と次男が帰って来た。横を通り過ぎる姿を下から見ていたら、あらら、制服の裾がほつれている。ズボンもつんつるてん。
入学の時大きめの買って、少しずつ伸ばしてきたけどついにギリギリになったか。
まあ、もう卒業だからなんとかもつか。
次男は急に最近背が伸びた。食べても太らないのか、ひょろひょろ。
亡くなった息子は次男とタイプが違って、身長も平均くらいだったし、食べると太るタイプだった。アパートにいる時は食費を削って痩せて、家に帰ってくるとたらふく食べてぷくぷくと太って帰って行ったことを思い出した。
息子が生きていて次男と並んだらなんて言っただろう。俺より背が高いのに俺より顔が小さいのはなんでやーって言いそう。
今次男は息子の服を色々着ている。身長が違うからか丈が短かったりズボンの裾が足りなかったり。それでも知らん顔して着てくれているのが嬉しい。
息子は亡くなった時いつもより少し痩せていた。指なんかホントに細かった。
何か悩んでいたのかな。どうして気がついてあげなかったんだろう。いや、きっと忙しいことを言い訳に見てあげてなかったんだ。
息子の服を着ている次男の姿を見るたびに、息子の姿と重なる。ごめんね、ほんとに。わかってあげられなかった。ごめんごめん。
ずっと心の中で謝り続けている。